地中海沿岸の国々の風景が収められたモノクロームの写真集を持っている。
遠い昔、街道沿いに暮らしていた人々が道ゆく旅人の目を楽しませるために糸杉を植えた。
そうだったのではないか、と想像せずにはいられない完璧に美しい景色がページのあちこちにひろがっている。
糸杉って天を指す緑の塔のようだ。
清らかな香りを振りまきながら、その形態は炎を彷彿とさせ、心ざわめかせる。
それでいて静かな印象もたたえている。
重力と風力を受け、横方向に均されがちな風景。
その中にあって、垂直に美しい縦の動きを見せてくれる糸杉は、空想の風景を描く際にも大いに有用で…。
画を描く人ならみな糸杉を好きになってしまうのではないだろうか。
(それに糸杉は絵筆の穂先にも似ている)
そのようなちょっと気になってしまう素敵な木、糸杉の図案のハンカチが完成した。
風に揺れる糸杉の立つ荒野を歩いて行きたい。
そんな風変わりな夢を密かに抱くあなたに。
■nakaban なかばん >
画家。
広島市在住。
絵画作品を中心に数多くの挿絵、文章、絵本等を発表する。
新潮社『とんぼの本』や書店『Title』のロゴマークを制作。
主な著作は書籍『窓から見える世界の風』(福島あずさ著/創元社)、『ことばの生まれる景色』(辻山良雄著/ナナロク社)、絵本『ぼくとたいようのふね』(BL出版)等。
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- サイズ
- 46×46cm
- 素材
- 綿 100%
- 縫製
- チドリ縫製(日本製)
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