片瀬高校卓球部の星野裕（通称ペコ）と月本誠（通称スマイル）は、小学生時代からの幼なじみ。急速に才能が開花してゆくスマイルと、惰性に呑まれる天才ペコ。もうひとりの幼なじみアクマ、卓球の権化ドラゴン、上海からの刺客チャイナなど個性豊かなキャラクターを交えて、「ヒーロー」復活を巡る主人公ふたりの葛藤と青春が描かれた名作です。

『Sunny』はデビュー当時から20年以上構想を練ってできあがったという大作。大作と言っても、そこで描かれるのは派手なアクションや壮大な物語ではなく、身近な日常の描写ばかり。作家自身の幼少期の経験をもとしたという自伝的要素もある本作では、子どもの目線で悲しみや孤独、喜び、希望が丁寧に描かれています。

主人公のシロとクロが路上で暮らす宝町は二人の庭。宝町という変わりゆく街を舞台に、二人を保護しようとする警察、利用しようとする悪い大人などが入り混じって、不穏な事件が次々巻き起こります。対照的なシロとクロの性格、結ばれた強い絆が印象に残る傑作です。

世界の危機を救うために立ち上がった組織「虹組」のメンバーであった、主人公のナンバー吾（ファイブ）ことユーリは、ある日マトリョーシカという女性とともに逃走を図ります。なぜユーリは組織を裏切ったのか？マトリョーシカの秘密とは？彼らを追う「虹組」との攻防も見どころの活劇です。

主人公の小学生、ユキの目にしか映らない彼ら。ユキは学校で異界の生きものに話しかけ、ハーモニカを吹いてモンスターを従えます。しかし学年が上がると、だんだんとモンスターが見えなくなってきて……大人になるということ、失われる純粋さを繊細に描き出した作品。

主人公の浪人、瀬能は寺子屋の優しい先生。周囲は彼を慕いますが、実は刀を持つと別人のようになってしまうため、真剣ではない「竹光」を持っていました。過去を知る刺客がやってきて、穏やかな長屋暮らしが揺らぎます。切れ味鋭くも静謐な画風で、独特の魅力を放つ作品です。